大分の文化

文化で綴る大分の風景③「山と海の青さ」

2012年05月25日(金)
(3858回)

霧の湯とききし 由布院の夕しぐれ       水原秋櫻子

5月の薫風に誘われて、緑萌え出でる由布岳の麓に佇み時を過ごせば空の碧さが
眩しすぎます。
霧の町、温泉の町湯布院。そして今や観光の町湯布院。
豊後富士を仰ぎ、海抜500メートル。
高原性盆地の霧の中で湯に浸かる楽しみが旅人を呼びます。
加えて今日は夕しぐれの情。
 
水原秋櫻子
明治25年東京神田生まれ。昭和56年没。馬酔木主宰。



焼山の一路真白し 奥由布へ          久米三汀
 
城島高原を通り過ぎ、猪の瀬戸、由布登山口をすすむといよいよ湯布院が近くなります。
由布岳の麓の野焼きあとの末黒野を貫き、更に道路は奥由布へ。
その景に興ずる三汀の即吟。
 
久米三汀
明治24年長野県生まれ。昭和27年没。小説家・久米正雄。

海中で真清水湧きて 魚育つ         高浜虚子
 
由布の緑と空の碧さから海の青さを求めて城下かれい祭り中の日出町へ。
江戸時代、将軍に献上された魚、美食家木下謙次郎が著書『美味求真』で絶賛した魚が
「城下かれい」です。城下かれいはマコガレイ。
ここのかれいは背に木下家の家紋を戴いているといいます。
殿様が珍重した証です。実は家紋の方が真似。
鹿鳴越山の伏流水が海底に湧き淡水で淡泊な美味。
 
高浜虚子
明治7年愛媛県松山市生まれ。昭和34年没。ホトトギス主宰。



ここからの 高崎やさしかれい宿       林香翠

 
大正6年には国内最高の産金量を記録した馬上金山。
その鉱山主であった成清氏ゆかりの的山荘が<かれい宿>。
一湾を挟んで湯の町別府の灯が点り、高崎山が潮に浮く。
 
林香翠
日出町生まれ。平成10年没。

 

   【筆者紹介】

   足達賢二(あだちけんじ) 

    竹田市久住町出身
    2012年3月まで大分県職員
    大分県中部振興局長、大分県職員研修所長、県民生活・男女共同参画課長、大分県消費生活・男女共同参画プラザ所長などを歴任。
 

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