大分の文化

文化で綴る大分の風景④「紫陽花路」

2012年06月18日(月)
(4148回)

大分は四季折々の表情が細やかに変化する地でもあり、6月は雨に似合う紫陽花の花が一雨毎に濃さを増していきます。
紫陽花というとこの時期、いつも萩原朔太郎の詩を思い出します。
 
こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて
 
こころは二人の旅びと
されど道づれのたえて
物言ふことなければ
わがこころはいつもかくさびしきなり
 
そんな詩に誘われて一人、こぬか雨降る安心院・院内道を訪ねてまいりました。


宇佐市安心院町佐田京石
 
 里人の崇める巨石  春の山                    大隈草生

米神山は山頂や中腹、山麓の京石などの巨石群があり、巨石崇拝跡といわれています。
里人の崇める巨石には、いまに致る里人の畏敬の念の深さがあります。
駘蕩たる雰囲気が包みます。

大隈草生
大正13年安心院町生まれ。「蕗」所属。

宇佐市院内町龍岩寺
 
音立てて仏の山の 春の水       大江朱雲
 
清浄山龍岩寺。本尊は釈迦牟尼仏。
行基菩薩が行脚修行し、宇佐神宮に参籠の後、開山祖として諸堂を建立。
龍岩寺奥院礼堂の木造仏三作は国指定重要文化財。春水が快い句。

大江朱雲
明治36年安心院町生まれ。「蕗」所属。

宇佐市院内町鳥居橋
 
鵙猛る社のしじまを 引き裂きて    元重廉直
 
秋の鳥の中でも特に高音でなく鵙。
キーイツ、キーイツ、キキキと鋭く鳴き、あたりを圧します。
「百舌鳥」とも書きます。
蛙や鼠を補食して贄とします。贄は神にささげるの意味もあります。

元重廉直
明治43年宇佐市生まれ。「ホトトギス」所属。

 

   【筆者紹介】

   足達賢二(あだちけんじ) 

    竹田市久住町出身
    2012年3月まで大分県職員
    大分県中部振興局長、大分県職員研修所長、県民生活・男女共同参画課長、大分県消費生活・男女共同参画プラザ所長などを歴任。
 

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