大分の文化

文化で綴る大分の風景⑥「秋深まる洗心の豊肥路」

2012年10月19日(金)
(3685回)


秋深まる豊肥路。木々も紅葉に向けての秋支度模様。

竹田市入田地区に寄った後、西に向かい、竹田市九重野百木の音無井路にある円形分水を
経て、更に奥に分け入ると荻町の陽目(ひなため)に白水の滝があります。
白水の滝は大野川の源流にある高さ約38mの滝で、伏流水が岩盤から湧き水となって湧きだし
幾筋もの糸のような滝となって流れ落ちて、その様が白く見えることから、白水の滝と呼ばれています。

かつては幅約100mに及ぶ壮大な滝で日本一の飛泉と讃えられていましたが、明治時代以降の
白水井路や荻柏原井路等の治水工事のために、現在では流量が落ち、往年ほどではなくなっています。

豊国の 国の宝と 岩間より 湧きて 泉の白玉     千種有功
 
千種有功(ちぐさ ありこと)は江戸時代の公卿、歌人。正三位権中将。
和歌のみならず書画も能筆であり、公家ながら刀剣を愛好した。


 白水の女滝に仰ぐ 雄滝かな     後藤栄生
 
威風堂々たる白水の雄滝は、誰の目にも颯然として映る。
それを清爽なる女滝から仰いでいるのであるから、一層際だつ。
涼味を走らす女滝も雄滝も水神が宿る。

後藤栄生は明治44年、千歳村生まれ。「蕗」所属。


陽目の里名水茶屋でお茶を一服頂き、北上して久住町の大船山の麓の都野に着いたのは中秋の気配色濃く漂う黄昏時。
地区の都処野神社の周辺には樹齢推定500年前後の老松を中心にトチノキ、カヤ、タブノキ、
サカキ、モミジなどの多くの巨木が生い茂って、社殿とよく調和し、都処野神社は
「洗心のやしろ」として崇められています。
 
霧湧いて 久住大船一つづき        江藤都月
 
「霧になるなら久住の霧にひろい野もまく山もまく」は野口雨情の里謡である。
美しく、かぎりなく広い久住高原。その中に大きく高くそびえる久住連山。
久住の自然はかくも雄大。

江藤都月は湯布院町生まれ。「蕗」所属。

 

   【筆者紹介】

   足達賢二(あだちけんじ) 

    竹田市久住町出身
    2012年3月まで大分県職員
    大分県中部振興局長、大分県職員研修所長、県民生活・男女共同参画課長、大分県消費生活・男女共同参画プラザ所長などを歴任。
 

facebookコメント
一覧に戻る