大分の文化

文化で綴る大分の風景⑧「日豊海岸北へ」

2012年12月27日(木)
(3676回)

晩秋を通り越してもう師走の時季。
今年は記録的な寒さの日々が続きます。

久しぶりに佐伯市蒲江まで行って海岸線を北上してきました。
佐伯は2年間勤務した地。あれからもう10数年。
時は過ぎ、季節はめぐっても今も昔も変わらない佇まいと海と山の溢れる懐かしいまちです。


春宵や 大きくまがる車の灯   小田部杏邨

 

佐伯市蒲江町は宮崎県と県境の町。
東南は太平洋、東は日向灘をへだてて四国を望む。
日豊海岸国定公園の景色はどこからも一幅の絵巻。
海に沿って曲がる車の灯りは、春宵一刻を満喫させる。

 
小田部杏邨(おたべきょうそん)は大正13年佐伯市生まれ。「蕗」所属。


一湾の深き入り江の 五月雨るる  押谷 隆

 

佐伯市鶴見崎から宮野浦にかけてのリアス式海岸。
深い入り江の浦代港が村の顔。
耕地面積はせまいうえ、水田は全くない。
しかし五月雨の海からの産物はいつも豊漁。

 
押谷 隆(おしたにたかし)は昭和23年大阪生まれ。「蕗」所属。


秋風が吹く それだけの河原かな 平田節子

 
秋風は色に配しては白(無色)とされ、そのことから素風ともいう。
「無いが極楽知らぬが仏」という。
無欲恬淡な秋風の河原の景色は、詩情に満ちている。
番匠川が町を貫く。

 
平田節子は昭和11年大分市生まれ。「蕗」所属。

 

   【筆者紹介】

   足達賢二(あだちけんじ) 

    竹田市久住町出身
    2012年3月まで大分県職員
    大分県中部振興局長、大分県職員研修所長、県民生活・男女共同参画課長、大分県消費生活・男女共同参画プラザ所長などを歴任。
 

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