大分の文化

文化で綴る大分の風景⑬「過ぎ去りし夏と江口章子」

2013年08月27日(火)
(3586回)



今年の8月下旬の久しぶりの雨となった日に、豊後高田市香々地町の長崎鼻まで
出かけました。
長崎鼻リゾートキャンプ場近くの段々畑には、地元の活性化を目指して
まちづくりグループ「長崎鼻B・Kネット」が取り組んだ100万本のヒマワリが
順次見ごろを迎えていました。



そんな中に江口章子の歌碑がひっそりと雨に濡れて建っていました。
日本の代表的な詩人、童謡作家、歌人として有名な北原白秋の妻でもあった
江口章子は昭和21年10月29日の雪の降りしきる朝に故郷の香々地町の実家で
ひとり息を引き取りました。
白秋の「雀百首」が章子の枕元に残されていたといいます。
江口章子を偲ぶイベントとして開催される「章子祭」は今年で10回目を迎えました。

ふるさとの
  香々地にかへり 泣かむものか
    生まれし砂に顔はあてつつ

 


丘の春(詩文集「追分の心」)

 こゝはふるさと 丘の春
 玉虫とびて わかき日の
 夢青々と 光るなり

 吾が父母の 眠ります
 丘もつづくに 玉虫の
 虹の色して とび去るを
 草笛さみし 春の丘


江口章子(えぐちあやこ)

大正・昭和時代の詩人。
明治21大分県西国東郡香々地町(現、豊後高田市)生まれ。
明治37年、大分県立第一高等女学校入学。
母サツキの実家である大分市内勢家町の威徳寺に寄宿し通学しました。
卒業をまたずに結婚するが離婚し、大正4年上京。北原白秋と知りあい翌年結婚。
わずか4年で2度目の離婚。
白秋と別れ、晩年は故郷の香々地町へ戻り、享年59歳で死去。


(大分市 城址公園 お濠端)
 
白雉城 
    お濠の蓮の ほの紅に 
        朝眼よろしも 妻のふるさと
                       北原白秋 

 

   【筆者紹介】

   足達賢二(あだちけんじ) 

    竹田市久住町出身
    2012年3月まで大分県職員
    大分県中部振興局長、大分県職員研修所長、県民生活・男女共同参画課長、大分県消費生活・男女共同参画プラザ所長などを歴任。
 

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